2011年05月03日

「生誕100年 岡本太郎展」

お久しぶりです。しばらく放置してすみません。

GWの最中、大混雑の展覧会に行ってきました。
(画像はあとでね)


まず、私の岡本太郎に対する認識についてお話しなければならないと思います。

・ちびっこの頃「芸術は爆発だ」をなんとなく知る
・ちびっこの頃連れて行かれた「箱根 彫刻の森美術館」でピカソとごっちゃになる
・1982年初めて発行されたテレホンカードを見て「岡本太郎」の絵をちゃんと知る
・美術の教科書を見て「太陽の塔」の作者だと認識する
・大学入学後、母・岡本かの子について1週間叩き込まれる(今でもやってるの?)
・2006年汐留にて「明日の神話」を見る(夕方だったので逆光だった)

まあ、曖昧でうろ覚えでいろんな記憶とごっちゃになってるけど「なんかパワーのある人」だという認識です。

生誕100年ということで空前の岡本太郎ブームとなった今、私も乗っかってみました。
テレビの特番を見、記念ドラマ「TAROの塔」を見、特集雑誌を読み、太郎さんについてある程度の予備知識を得てから鑑賞に臨みました。

プロローグ:ノン!
真っ赤な部屋に並べられている幾つかのオブジェたち
一見するとユーモラスで愛らしいフォルムなのに、見る角度を変えると悲しみや怒りを帯びる
湾曲した微妙なラインが光の影を作って表情を変える
「ノン」はそんなオブジェたちの中心に存在する
目を三角にし、牙を剥き、両手を前に出し拒否する
他のオブジェは表面がツルツルで人工的な素材が感じられるのに対し、「ノン」は土と木片でペタペタ作り上げた感が伺える
大阪万博「太陽の塔」の地下展示室に置かれた「ノン」は各国が近未来的な展示を競ってる中、人間が本来持っているプリミティブな感情、自然と共存してきた歴史、それが原点なんだと対抗しているかのように感じた
因みに、ここのキャプションは分かりづらかった

第1章:ピカソとの対決
ピカソは「われは王なり」と言った
太郎さんは「職業は人間である」と言った
ピカソの絵に衝撃を受けた太郎さん
人間は王を超えられるのか
ここでは太郎さんが提唱する「対極主義」を伺うことができる
抽象絵画を描き、さらに具象的な題材をぶつけ、感情を表面化する
進むべき方向を見出した代表作と言っても過言でない「痛ましき腕」
ギュっと握りしめられた拳と腕の筋肉が感情を露わにしてるが、その表情は大きなリボンで隠されている
リボンは女子のオシャレアイテムであり、紳士の身だしなみアイテムでもある
大きなリボンをつけて畏まってますが実際歯噛みして怒りを抑えてるんですよ、といった状態か

第2章:「きれい」な芸術との対決
太郎さん曰く、見て素直に「ああきれいだな」で終わってしまう作品ではいけないらしい
見て、魂が揺さぶられて、価値観を問うことに意義があるよう
太郎さんの絵画は原色の対比が目立つカラフルな色彩が多い
一見「色」で目を惹き、それから描かれた「物」が何なのかを探り、関連性を見出す
しかし、「なんでこんなところにこれを配置するの?」と疑問に思う
疑問に思ったら負けなのかもしれない
この章で太郎さんの持つ色のパワー、筆致の勢い、そして部分的に描かれたユーモラスな「物」の滑稽美に慣れていく

第3章:「わび・さび」との対決
日本の繰り返す様式美に疑問を持ってしまった太郎さん
縄文土器の美しさを再発見し、日本各地に残る風習や土俗信仰などの取材から作品を作り上げていく
残されている数々のオブジェのフォルムや表情は縄文土器や土偶を想起させる

第4章:「人類の進歩と調和」との対決
言わずもがなの「太陽の塔」奮闘記
構想スケッチ、1/50スケールのオブジェ、万博当時の内部の写真資料、当時の映像資料
全体の展示の中で「え?これだけ?」と拍子抜けしたスペースでもある
もう大阪行って実際に見てきなよ!と言わんばかり・・・

第5章:戦争との対決
太郎さんの中で冷凍された5年間と言われる兵役時代
その時代を経て反戦、反爆の姿勢を貫く
ビキニ水爆実験に対しては絵画で反対し、ベトナム戦争に対しては「殺すな」と文字で反対する
原爆を「奇怪な呪われた悪魔」だと表現した太郎さん
このテーマを展示している最中に起こった福島の原発事故
太郎さんが生きていたらどのように反対するのだろうか
「奇怪な呪われた悪魔」を1日でも早く鎮められますよう

第6章:消費社会との対決
この章は「対決」というよりも太郎さんが積極的に社会に作品を提供している感が伺える
「芸術は爆発だ」だったり、お茶の間の変なおじさんだったり、テレビの露出も積極的だった
資料映像として流していた対談相手がタモリで落ち着いて見ていられたからか、奔放さが滲み出た生前の太郎さんを知ることができた
ただ、緊張してたのか常に前傾姿勢だったのが気になるところ・・・

第7章:岡本太郎との対決
大小様々なキャンバスに描かれた目、眼、め
四方の壁に配置された目に睨まれ、中央に存在する椅子は座ることを拒否し、太郎さんからの挑戦を受けてる気分になる
ちょっとアトラクション的な趣向も混じった章となっていた

エピローグ:受け継がれる岡本太郎の精神
秘書で養女でもある敏子さんのライフワークの一片が見られる章
走り書きのメモの一部を見て、敏子さんも一緒に対決していたのだと感じた
私的な意見では「芸術家は作品で語るべし」と思ってるため、著作を読むという趣味はない、
ただ、最後に「下手なら、むしろ下手こそいいじゃないか」のおみくじを引いてしまい、
「もっと自分をさらけ出してバカにならないとダメかなあ」と思い始めている自分がいる
うまく生きようとしてはダメなんですね



全体的に狭いスペースで「岡本太郎」というべらぼうなスケールの人を
コンパクトにまとめた良い展示だと思いました。
ただ、やはりスペースの狭さは否めません。作品たちも窮屈そうでした


posted by もちうさぎ at 04:23| 今日の展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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